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1、福祉サービスを知らない方にも行き渡るように
5月19日に障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が衆議院本会議で全会一致、可決、成立しました。この法律の内容は、障害があることで、日常生活や災害時に必要な情報を得にくい情報格差を解消しようというものです。そして、全て障害者が等しく情報を取得できるよう、国や自治体が施策を進める責務を明記しております。具体的には、障害の種類や程度に応じて情報取得の手段を選択できるようにする。障害のない人と同じ内容の情報を同時に得られるようにする。事業者は、国などが実施する情報取得の施策に協力するといったことです。
悪い例として、さきのコロナワクチン接種券の際にも、視覚障害のある方に点字がない文書が送られた事例が全国各地で相次いだそうです。さらに言えば、私がいつも感じていることですが、鎌倉市の鎌倉市議会などのインターネット中継には、休憩中には休憩中とか再開時間の字幕が流れるのですが、会議中は字幕がありません。そして違う角度から言えば、福祉サービスでは受けることが可能である障害者などもそのサービスを知らない方もいます。知っている方は障害福祉課に行き、そのサービスを受けることを希望しますが、知らない方はそれすらできません。これは不公平だと思います。知らない方には、鎌倉市が教えてあげることはできないものでしょうか。障害者には、同じ障害なら積極的にサービスを利用していただき、生活の向上に役立ててほしいものです。障害者の法律がつくられたことによって、鎌倉市はどのようなことができるものですか。いかがですか。
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(濱本 正行 健康福祉部長の答弁)
障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法に関する御質問についてお答えをいたします。障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法は、障害者が情報の十分な取得利用及び円滑な意思疎通が可能となるよう情報アクセシビリティやコミュニケーションに焦点を当て、全ての国民が障害の有無によって分け隔てることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目的とし、その理念等を定めたものと承知しております。
本市においては、令和3年7月に視覚障害者及び聴覚障害者等の情報取得等の手段についての選択の機会の確保に関する条例を制定し、情報取得の難しい方が社会参加しやすくなる環境整備を行い、この法律に定める地方公共団体の責務を具現化しているところでございます。今後も法律の理念に基づき、障害者が等しく情報取得等ができるよう基本的施策と位置づけられている障害の種類、程度に応じて情報を提供する配慮の施策を具体化する方法について検討を進めてまいります。
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(千一の再質問)
障害福祉課とか高齢者いきいき課などのケースワーカーが、障害適用するサービスを受けられることを教えてあげることはできませんか。 |
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(比留間 彰 副市長の答弁)
ケースワーカーが受けられるサービスをお知らせすることについての御質問です。障害をお持ちの方、高齢者の方々など、サービスを適用されている方々には、ケースワーカーが対象者の状況に応じて利用可能なサービスを分野にとどまることなくお知らせするよう努めているところですが、改めてケースワーカーが各種サービスの内容をしっかりと共有するよう努めるとともに、対応についても徹底していくようにいたします。 |
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2、身体障害者中心のグループホームについて
グループホームについては、昨年、令和3年9月定例会でも身体障害者中心のグループホームについてということで質問しております。そのときの部長の御答弁として、「ここ1年で市内に設置されたグループホームは2か所ございますが、知的障害や精神障害の方を対象としたものでございまして、現在、市内の身体障害者を対象に日中活動を支援している事業者におきましては、新たなグループホームの設立は見込めない状況でございます。今後も市内の事業者の意向を伺いながら、補助金の確保、窓口でのグループホーム新規設置相談時の案内などに継続して取り組んでいくとともに、重度障害者の生活の場として空き家を活用することにつきましては、バリアフリーの観点から難しいと考えるところでございますけれども、まずは情報収集などから取り組んでまいりたいと考えております」というものでした。
また、できる事業者を見つけるだけではなくて、空き家と重度訪問介護をつけて事業所をつくることはできないものかという質問に対しての市長の御答弁は、「市内のバリアフリーを備えた空き家と重度訪問介護サービスの組合せによる生活の場の構築の可能性につきまして、事業者に聞き取りなどを通じて意見を求めるなど、まずは実現するに当たって検討すべき項目を正しく把握することに努めてまいりたいと考えます」というものでした。その後の進捗状況、取組を教えてください。鎌倉駅のホームはとても狭く、階段の柱があるところなどは、車椅子で通るときは転落するのではないかと危険を感じています。現に目が不自由な方のホームからの転落事故のニュースも最近よく聞きます。また、1月11日には京都で電動車椅子に乗った男性が線路に転落し、電車にはねられ亡くなるという痛ましい事故も起きました。こうした悲劇を防ぐため、鎌倉駅のホームの幅を広げることはできないものでしょうか。できないのであれば、せめてホームドアのようなものをつけていただきたいものです。観光客の皆様も、今年は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が放送されているので、大勢来ることが予想されます。早急に対策を考えていただきたいものです。そして、車椅子の方や目の不自由な方などには特に安全性を確保してもらいたいものです。いかがですか。 |
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(松尾 崇 市長の答弁)
身体障害者中心のグループホームについて、令和3年9月定例会で質問した後の進捗状況についてです。令和3年9月以降、本市に設置されたグループホームは2か所ありまして、そのうちの1か所は、設置当初は知的障害者を主に対象としておりましたが、市内の身体障害者のために入居を実現していただいたところです。身体障害者を対象に含めたグループホームとしての前進は見られましたが、身体障害者を中心とすることについては継続的な課題と考えています。今後も事業者からのグループホーム設置相談があった際には、設置時の補助金制度の案内と併せて身体障害者を対象とすることについて事業者と協議してまいります。
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(千一の再質問)
なるべく早くつくっていただきたいのですが、いかがですか。 |
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(松尾 崇 市長の答弁)
今回の身体障害者入居の事例を参考に、事業者の意見も十分に聞き取りまして、新たな事業者の開拓に生かして、早期開設に努めてまいりたいと考えております。 |
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3、指定管理について
指定管理とは、公務員の方たちがやってきたことを民間の事業体がやることで公務員の数が減り、一方で民間の方がやるので人数的には変わらないものです。日本は先進国の中でも公務員の数が圧倒的に少ないのです。何をもって公務員の適正化というのかが疑問です。例えば、内閣官房によると、先進国の中で1,000人当たりの公務員の数はフランス90人、イギリス68人、ドイツ60人といったところです。民間という印象の強いアメリカは64人です。ちなみに日本は37人です。日本の公務員の数は先進国の中では一番少ないのです。適正化という名目で民間にやらせて公務員の数を減らして、生涯学習センターのように市民が不安がっているにもかかわらず、制度的にはいいのかもしれないが、議員の3分の1の賛成で決めてしまったことは、市長部局の独裁的体制だと思い、とてもおかしいと感じました。指定管理にしなくても行政としてサービスを提供するために必要な数の公務員が確保できれば、それで十分にできるはずです。
そして質問として、1、職員の数を減らして民間にやってもらわなければいけないのはなぜか。2、今回の生涯学習センターのことで、このような強引な手段を使ってまで、なぜ指定管理にこだわるのか。このことについて教えてください。 |
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(服部 基己 共生共創部長の答弁)
指定管理者制度の活用は、単に人件費の抑制だけを目的としたものではなく、民間のノウハウを取り入れることで多様化する市民ニーズに対してサービスの質の維持、向上を図りながら、より効果的に事業を実施することも目的としているところでございます。
一方、本市の歳出全体に占める人件費の割合は、県内他市と比較しても高い状況であり、限られた経営資源を効率的、効果的に活用するためにも指定管理者制度や民間委託などの手法を用いながら、経費の抑制に努めなければならないと考えているところでございます。
(岩岡 寛人 教育長の答弁)
生涯学習センターに対する御質問に関してお答え申し上げます。先ほど御答弁がありましたように、指定管理者制度は多様化する市民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間のノウハウを活用しながら、市民サービスの向上等を図ることを目的に創設されたものでございます。生涯学習センターの管理運営を指定管理者に移行することにより、他の自治体等における類似施設の社会教育事業の運営経験やICTなど専門分野のノウハウの蓄積を本市の社会教育事業に活用することが期待できることから、本市の社会教育事業の質的向上と量的拡大が見込まれ、市民にとって生涯学習センターの運営がよりよいものになると考えてございます。
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(千一の再質問)
いくら民間のノウハウを生かすといっても、このような強引なやり方ではなく、もっと違うやり方でできなかったのか。 |
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(松尾 崇 市長の答弁)
3月臨時会における再議に係る議案につきましては、御案内のとおり、生涯学習センターの利用区分の見直しに関するものでありますので、指定管理者制度の導入につきましては、令和3年12月定例会におきまして、半数以上の賛成により議決された条例案に基づいて進めているものでありまして、強引な手法で進めているというふうには考えておりません。利用者の皆様の意見を広く聞きながら、より市民にとってよい生涯学習センターの運営となるよう、教育委員会と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 |
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