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1、19人を殺害した植松被告と優生思想と効率主義について
何の抵抗もできない19人の障害者を殺害した植松聖被告の裁判が始まりました。植松被告は、トランプ大統領も大絶賛するだろうという大統領の支持率を引き下げるような言動をしました。そして、弁護側の責任能力がないということを否定して、持論を展開しました。全く反省の色がなく、逆に自分の行為を正当化していました。これは、ヒトラーのした優生思想と効率主義の思想です。人間を人間として考えないものであります。どんな判決が出ようとも許されるものではありません。
鎌倉市としては、改めてこのようなことに対し、どう考えますか。
さらに関連して、宮崎市で軽い知的障害の5年生の男子児童が2年生のときから通常学級の複数の児童からきもいと言われたり、顔をつねられたり、上履きを隠されたり、水でぬらされたり、理科の実験材料の豆を食べるよう強要されるといったいじめを受けて、不登校になり、この1月に転校した事件がニュースで報道されました。学校は、当初、いじめと認めなかったけれども、父親の訴えを受けた市の教育委員会の指導後、事実関係を認め、謝罪したそうです。このようなことがあれば、いじめられた子が転校するのではなく、いじめた子が転校するシステムにならないものでしょうか。
鎌倉市でもしこのようなことがあれば、どのような対応をとりますか。いかがですか。
そして、人間に対する効率的な考え方は、さまざまなところにあります。よいか悪いかは別として、派遣会社の存在や組織などでの少数精鋭という考え方などです。何でも効率的をというならば、高齢者や障害者は排除される対象となるでしょう。鎌倉で既に施行されている共生条例、つながる条例、さらにはこれから制定を考えている子供のびのび条例の精神とはかけ離れているものだと思います。
鎌倉市としては、効率的な考え方に対して、どのように考えていますか。
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(小礒一彦 副市長の答弁)
優生思想、効率主義についての御質問でございます。
植松被告の考え方でございますけれども、秀でた能力を持つ者のみに存在価値を認めるという優生思想そのものだというふうに考えております。
障害のある方々を蔑視する被告の発言にも見られますように、人に優劣をつけ、効率性のみを重視し、みずからが優秀であると判断した者以外は排除しようという、そんな考え方であるというふうに考えております。
この考え方につきましては、全ての人が一人一人尊重され、多様性が認められ、自分らしく生きることができる共生社会を目指す本市の考え方に真っ向から反対するものでございまして、到底認めることができないものであるというふうに考えております。
(佐々木聡 教育部長の答弁)
鎌倉市のいじめ対応についての御質問です。
鎌倉市では、インクルーシブ教育を推進するために、子供たちが互いの多様性を理解し、尊重できるような「地域でともに学び、ともに育つ」教育環境づくりを進めているところでございます。一人一人が違いを認め合って、みんなが安心して過ごせる居心地のよい学校にするために、みずから考え、行動できる子供の育成を目指しております。
いじめは決して許されない行為であることから、教育委員会といたしましては、いじめを受けた子供、いじめた子供にかかわらず、安心して学校生活を営むことができるよう、助言や支援を行っております。
(内海正彦 健康福祉部長の答弁)
効率的な考え方に対して、どのように考えているかについての御質問でございます。
組織運営や業務の実施に当たっては、我々も効率性を意識しているところではございますが、御指摘のとおり、効率優先で、高齢者や障害者を排除するようなことは共生条例の精神に反すると考えております。
効率性をもとに、人の優劣を判断したり、効率的であることが個別の尊厳や共生の考え方に優先するようなことはあってはならないと認識をしているところでございます。
本市では、ワークステーションかまくらを設置し、障害のある人もない人もともに働くことのできる環境を整えているところでございます。引き続き多様な人々が尊重され、どのような立場になろうとも自分らしく生きていくことのできる共生社会を目指してまいります。
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千一の再質問
植松被告の事件は絶対忘れてはいけないものだと思います。市長はどうお考えですか。
そして、鎌倉市には効率主義を主張される方もいます。それも一つの考え方だと思いますが、鎌倉市は共生条例において、さまざまな考え方を尊重し合うとありますが、こういう場合、どちらの考え方を尊重するのですか。市長、いかがですか。
植松被告のような人物が出てくるのはどうしてだと考えると、実行はしなくても、そういう考え方を根底に持っている方は少なくないと思います。こんな面倒くさいやつ、なぜ生きているのだろうと考える方もいると思います。このような方たちが表には出さなくてもいると思います。そういう方たちの心を変えていくには、どうしたらよいと思いますか。いかがですか。
いじめは絶対してはいけないとの答弁でしたが、大概いじめを受けた子供が転校することが多いのですが、場合によっては、いじめをした子が転校してもいいと思います。どうお考えですか。
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(松尾崇 市長の答弁)
植松被告の事件は絶対に忘れてはいけないものではないかという御質問です。
やまゆり園の事件は、衝撃的な事件でありまして、絶対に忘れてはならないものであるというふうに思います。私自身もこの事件ということを受けまして、鎌倉市の共生社会の実現を目指す条例の制定に至った経過ということがあります。
鎌倉市にもこのさまざまな考え方がいらっしゃるということは承知をするところではありますけれども、思想や考え方については、どちらかを排除して終わりということではなくて、多様な人がお互い尊重し合える社会を目指していくということが共生条例の考え方であります。
効率主義の思想のもとに人の優劣を判断することはあってはならないことであるというふうに考えます。
それから続きまして、面倒くさい、何で生きているんだと考える方もいると思うがという御質問です。
そのような考え方を根底に持っているということの方には、やはり本人自身も生きにくさを抱えているというようなこともあるのかなというふうに思います。
誰もが自分らしく生きることを認め合い、その上で寛容な社会をつくっていくことが一人一人の心を変える一歩になるというふうに考えます。
(安良岡靖史 教育長の答弁)
場合によっては、いじめをした子が転校してもいいと思いますとの御質問でございます。
いじめの解決に当たりましては、どちらの子供にとっても転校することが解決につながるというふうには今は考えていないところでございます。
やはり、多くの子供たちが生活する中で、子供たちが違いを個性と考えて認め合える、そのような人間関係づくりに取り組むことが重要であるというふうに考えておりますので、子供一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導とそして必要な支援を行い、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育の推進に取り組んでいるところでございます。
いじめを行った側の子供につきましては、その行為に至った経緯というものを把握して、いじめを繰り返さないために、子供、そして家庭への助言や支援を行うことで、お互いに認め合い、思いやりの心を持てるような子供を育てていくことが大切というふうに考えております。 |
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2、オリンピック・パラリンピックと鎌倉西口トイレ及び東口の段葛について
以前にも質問しましたが、鎌倉駅西口には、コンビニの奥にトイレがあるだけです。ホテルニューカマクラのところにトイレを鎌倉市が助成してつくるとかお聞きしました。その後、オリンピック・パラリンピックを控え、公衆トイレがどのようになっているか教えてください。
現実に、トイレが不足していることは確かです。そのために鎌倉駅西口近くでは、通行人や来訪者は、一番近いトイレとして、行きたくなったら西口広場横の連絡通路を通って、東口前の公衆トイレに行くことです。そこに行くまで我慢できるならまだいいです。しかし、先日、体調が悪くなった方がトイレまで我慢できずに、コンビニの前で戻してしまったという気の毒な事例を耳にしました。それももとはと言えば、西口付近には、目に見えるところのトイレがないからだと言えます。
現在、西口広場を改装中ですが、本来ならトイレも広場に加えるべきだと思います。いかがですか。
それと、鎌倉駅東口の2段の段差がある段葛は、その2段の段差をクリアできれば、八幡宮までとても快適な歩道です。逆に八幡宮からあの道を通って鎌倉駅に行く場合、車椅子の方は最後になって2段の段差を見て、あっと驚き、困ってしまいます。このままでは無理なので、車椅子を担いでもらうにしても、その場に五、六人はいなければ難しいです。あの2段の段差のところに取り外しできるスロープでもいいので、つけることはできないものでしょうか。
東京オリンピック・パラリンピックがやってきます。この機会に鎌倉の、そして八幡宮や段葛にも車椅子の方も多く訪れることは予想できます。いかがですか。
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(齋藤和徳 市民生活部長の答弁1)
鎌倉駅西口のホテルニューカマクラによります公衆トイレ建設を後押しするため、建設に係る市の補助制度の活用について、協議を行ったところであります。ホテルニューカマクラといたしましては、敷地内への公衆トイレの設置に当たっては、駐車場の面積が狭くなるなどの土地利用上の問題から、建設が難しいとのことでありました。今後も引き続き民間による公衆トイレの建設を後押しするべく、補助制度のPRに努めてまいります。
(前田信義 まちづくり計画部長の答弁)
改装中の西口広場に、本来ならばトイレも広場に加えるべきというような御質問です。
鎌倉駅西口駅前広場は、駅直近に位置し、多くの方々が利用していることから、トイレなどの施設を導入することができれば、利便性の向上につながるものと考えております。
広場の整備に当たりましては、当初は隣接している土地の買収によるトイレ機能の導入を計画しておりましたが、土地所有者との交渉がまとまらなかった経緯がございます。このため、限られたスペースにおいて、当該広場の大きな課題である人だまりのスペースの確保を最優先し、トイレの機能の導入は見送ったものでございます。
(齋藤和徳 市民生活部長の答弁2)
鎌倉駅西口の公衆トイレの今後についてですけれども、鎌倉駅西口周辺において、公衆トイレの整備の必要性については認識しているところですが、現在の状況から新たな公衆トイレの建設用地の確保は難しい状況でございます。
まずはトイレ協力店の拡大を推進するとともに、補助金を活用した民間によります公衆トイレの整備を積極的に働きかけていきたいと考えております。
(桝渕規彰 文化財部長の答弁)
段葛の2段の段差についての御質問でございます。
段葛を含む鶴岡八幡宮境内は国指定の史跡であるため、文化財を積極的に公開活用する観点からも段葛の段差の解消を含むバリアフリー化については重要なことと考えております。
ただし、文化財を適切に維持管理するための修理や整備につきましては、文化財保護法で所有者が行うことと規定されておりまして、市が直接実施することはできません。
議員御提案の段葛の2段の段差部分への仮設スロープの設置につきましては、段葛の平成26年度から27年度にわたって実施しました整備事業完了後の平成28年度以降、鶴岡八幡宮に対しまして、その設置について要請をしてきておりましたが、宗教活動の場として位置づけている鶴岡八幡宮からは、車椅子の方については、中央部分の横断可能なところに設置したスロープを御利用いただきたいというようなお話をいただいているところでございます。 |
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千一の再質問
トイレについては、西口広場につけられないとの答弁でしたが、大船駅西口の多目的トイレみたいなものを小さくていいのですが、端のほうでいいので、つけられる検討をしていただきたく、よろしくお願いいたします。トイレだけでも貸してくださるというところは、なかなかないと思います。いかがですか。 |
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(小礒一彦 副市長の答弁)
鎌倉駅西口のトイレの御質問でございます。
今回の整備では十分な用地確保ができませんでしたことから、限られたスペースの中での整備となりました。ということで、人だまりスペースの確保を優先いたしました。駅近傍のトイレなどの施設が整備できますと、市民ですとか観光客の皆様の利便性が向上するものと考えておりますので、今後も引き続き可能性を探ってまいりたいというふうに考えております。
また、トイレの協力店の拡大ですとか、補助金を活用した民間による公衆トイレの整備につきましても、商店街などに働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。 |
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3、孤独死を防ぐには
ひとり暮らしの方で、孤独死をする方がいます。私の知人で、鎌倉市在住だった弟さんも浴室で倒れて亡くなり、何日もたって発見されたそうです。高齢者ばかりでなく、ある20代の独身男性も会社の独身寮で突然脳梗塞で倒れ、やはり何日もたって発見された事例すらあります。さらには、ある2人暮らしの高齢の姉妹の場合は、高齢となっても元気に活動されていたらしいですが、お姉さんが足を悪くされ、以後、妹さんがお姉さんの面倒を見るようになり、次第にこもりがちになりました。そして、妹さんが病に倒れ亡くなってしまい、するとお姉さんは、周囲に助けを求めることもできず、亡くなられたということです。
このように、年齢が若くても、2人暮らしであっても、かなりの著名人であっても、孤独死して、何日もたって発見されたことも多々あります。
このような孤独死に対して、鎌倉市としては、どのような対策をとっていますか。 |
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(内海正彦 健康福祉部長の答弁)
孤独死に対する質問でございます。
まず、健康福祉部の対応でございます。
高齢者の孤独死対策として、ひとり暮らし高齢者登録制度により支援や見守りが必要な高齢者の方々に対して、民生委員児童委員の方が日常的な巡回訪問を行い、ひとり暮らし高齢者の見守りを行っているところでございます。
また、ひとり暮らし高齢者のために緊急通報装置の貸し出し事業を行っていて、24時間体制による緊急時通報や相談、週1回の安否確認をすることにより支援や見守りを行っているところでございます。
さらに、高齢者の配食サービスによる安否確認や居宅介護ヘルパーやデイサービスなどの介護保険サービスの利用による見守りを行うともに、地域の高齢者の相談機関である地域包括支援センターや民生委員児童委員と連携を図り、若い世代から高齢者まで広く地域の方の支援や見守りを行っているところでございます。
(齋藤和徳 市民生活部長の答弁)
市民生活部の対応につきましては、地域のつながりを深め、コミュニティーを活性化させていくことが孤独死の防止策につながるものと認識しております。自治会、町内会では、日ごろから地域の活動を通して顔の見える関係づくりに取り組まれていることから、今後も自治会、町内会活動など、地域コミュニティーの活性化につながる取り組みを支援してまいります。
(能條裕子 環境部長の答弁)
環境部の取り組みについて答弁させていただきます。
ごみの排出に支障がある高齢者や障害者のみの世帯を対象に、週1回、市の職員が居宅を訪問して、ごみや資源物を収集するとともに一声かけて、安否を確認する声かけふれあい収集を実施しているところでございます。
令和2年1月31日の時点で522世帯に声かけふれあい収集を行っており、今まで声かけをした際に、体調を崩している高齢者を発見し、病院に搬送したケースやケアマネジャー等に連絡をして、大事に至らなかったケースなど、未然防止策として大変効果があるものと認識しております。
今後も声かけふれあい収集を活用し、孤独死の防止に努めていきたいと考えております。 |
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千一の再質問
高齢者ではなく、障害もなく、若者の孤独死もふえています。このようなことは核家族がふえ、ひとり暮らしの方がふえてきたからだと思います。特にそこで考えるのですが、行政だけではなく、町内会に呼びかけて、1日1回でも顔が見える運動はできないものでしょうか。いかがですか。 |
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(松尾崇 市長の答弁)
若者の孤独死がふえていることに関して、顔が見える運動についてでございます。
自治会、町内会においてこの1日1回顔の見える運動を実施するためには、組織の強化や活動の活性化ということが必要になるというふうに思いますので、引き続き自治会、町内会への支援ということを続けてまいりたいというふうに思います。 |
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4、横断歩道と歩行者用信号に対する警察と鎌倉市の対応について
鎌倉市道の横断歩道は、鎌倉市で改良や補修ができるとお聞きしましたが、警察がどこまで関与してくれるのか、はっきり調べてお答えください。
それはなぜかというと、御成小学校の角から中央図書館に行く道に点字ブロックが途切れているところがあるからです。視覚障害者の方には、点字ブロックが途切れるというのは、非常に困ることです。ですから、御成小学校の角の横断歩道と点字ブロックをどのようにしてコラボさせるかが問題です。いかがですか。
そして、以前の一般質問でも鎌倉市福祉センター近くの信号に歩行者用信号をつけてほしいと言い、鎌倉警察署まで行きましたが、つけられないとのことでした。
そこで、考えたのですが、歩行者用信号は無理でも、音だけでも出せるようにはできないものでしょうか。いかがですか。 |
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(樋田浩一 都市整備部長の答弁)
横断歩道の改良や補修に警察がどこまで関与してくれるのかという御質問でございます。
鎌倉市道に限らず、横断歩道やその中にあるエスコートゾーンにつきましては、交通管理者であります警察が設置し、維持管理をしておりまして、御指摘の横断歩道の改良や補修につきましては、警察が実施することとなります。
なお、市が行う舗装工事等によりまして、既存の横断歩道が消えてしまうような場合につきましては、警察と協議し、原因者である市が復旧しているところでございます。
続きまして、御成小学校角から中央図書館に行く点字ブロックについての御質問です。
JR鎌倉駅西口から鎌倉市福祉センターまでの点字ブロックにつきましては、当初設置を予定しておりました今小路通りの歩道幅員が狭いことなどから、歩道がなく、通行車両が少ない御成小学校南側の車道を利用し、中央図書館を経由するルートにより、平成30年度に整備したところでございます。
議員御指摘の箇所は、歩道と車道の点字ブロックの境目にあり、歩道から車道へ安全に誘導する点字ブロックの配置事例が見当たらず、現状にとどまっているところでございます。
当該箇所の点字ブロックの接続につきましては、今後、バリアフリーに精通した有識者にも意見を伺いながら、実施に向け検討を進め、警察と協議を行ってまいります。
(内海正彦 健康福祉部長の答弁)
鎌倉市福祉センター近くの信号に歩行者用信号は無理でも音だけは出るようにできないかについての質問でございます。
当該交差点につきましては、平成28年度から神奈川県に歩行者用音響信号機の設置について要望しているところでございますが、この要望に基づく県内の新設箇所は平成29年度が11カ所、平成30年度が5カ所であり、この中に鎌倉市で新設されたものはない状況でございます。
現在、当該交差点に歩行者用信号機が設置されていないことから、現実的に音だけ出る機器の設置は難しいため、引き続き神奈川県に音響装置のついた歩行者用信号機の設置について要望をしてまいります。 |
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千一の再質問
御成小学校の角の点字ブロックの離れているところは、つなげることはいつごろまでにできるのですか。市長、いかがですか。
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(松尾崇 市長の答弁)
御成小学校の点字ブロックについてです。点字ブロックの配置につきましては、有識者や鎌倉市身体障害者福祉協会の意見を伺いまして、配置を決めて、オリンピック・パラリンピックまでに完成を目指して進めてまいります。 |
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