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1、重度訪問介護について。
前期の最終本会議において、鎌倉市議会は総員の賛成によって、国・県に対し重度訪問介護事業所等訪問系サービスに対する支援の充実を求める意見書を採択しました。その内容は神奈川県において既に実施している多数の都道府県に倣って、重度訪問介護に関する補助制度を構築して市町村の超過負担を生じさせない対応を強く求めるものです。今現在、県は鎌倉市議会からのこのようなことに対してどのような対応をしてきたのでしょうか。鎌倉市内での介護の事業所では単価が安いので、重度訪問介護をやりたがらないのが現状です。横浜市の事業所では重度訪問介護をやっているところが多くあると聞きます。ですから鎌倉市の事業所に限らず、横浜市の事業所にやってもらうのも一つの方法だと思います。いかがですか。そして重度障害者の方の中には、重度訪問介護という制度すら知らない方も多くいるようです。そのような方には、ぜひとも教えてあげていただきたいものです。いかがですか。そして、それを活用して重度の障害者の方も地域で思い切り生きられるようにしていただきたいものです。いかがですか。
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(内海正彦 健康福祉部長の答弁)
県は鎌倉市議会からの意見書に対してどのように対応してきたかについての御質問でございます。市議会からの意見書については、議会事務局に確認したところ、その後県から回答はないと聞いているところでございます。重度訪問介護事業等訪問系サービスについては市としても神奈川県市長会を通じ、平成30年度神奈川県の施策・制度・予算に関する要望として補助制度の創出を要望したところでございます。市長会の要望に対する神奈川県からの回答は都道府県や市町村に過分な負担を生じさせることがないよう、本来であれば国において国庫負担基準を適切に設定すべきものであることから、補助制度としての負担ではなく義務的経費としての財源措置を講ずることについて国に対して要望をしているとのことでございました。
続きまして、横浜市の事業所に重度訪問介護をやってもらうのも一つの方法だと思うがいかがかについての質問でございます。障害福祉サービスは、サービス提供が可能な事業所があれば他市町村にある事業所が本市に居住する障害のある方にサービスを提供できることとされております。議員御指摘のように横浜市の事業所が本市に居住する障害のある方に重度訪問介護を行うことも一つの方法であると考えられることから、必要に応じて市外の事業所の御案内も行ってまいりたいと考えております。
続きまして、重度訪問介護という制度すら知らない方が多くいるようで、ぜひとも教えてあげていただきたいがいかがかについての質問でございます。重度訪問介護制度の周知につきましては、重度訪問介護サービスの取り組みを進める上での参考とするため、昨年12月に重度訪問介護の対象となる障害者のある方へアンケート調査を実施した際に重度訪問介護サービスの内容について周知を行ったところでございます。今後もサービス利用に関して職員や相談支援専門員が障害のある方と面談する機会などに情報提供に努めていきたいと考えております。
続きまして、重度訪問介護を活用して重度の障害者の方も地域で思い切り生きられるようにしていただきたいがいかがかについての質問でございます。障害者やその家族が地域で安心して暮らしていくためには必要な支援サービスが適切に受けられることは大切なことだと考えております。重度障害のある方が重度訪問介護を含めた障害福祉サービスを利用しながら健やかで安心して地域で暮らせるよう障害支援の充実に取り組んでまいります。
次に身体障害者中心のグループホームの設置についてできない理由は何かについてでございます。平成30年3月に実施した市内の障害福祉サービス提供事業所へのアンケート調査の結果から推測いたしますと、鎌倉市に限ったことではございませんが、身体障害者のグループホーム設置に当たっては施設整備や職員の確保などにおいて課題があり、事業所がグループホーム開設に至らないのではないかと考えているところでございます。
もし具体的な計画ができているなら教えてほしいという質問についてでございます。現在グループホームの設置に際し、設置時の備品購入等に対する補助や基準を超えて職員を配置し重度の障害者を受け入れている事業所への補助を実施しているところでございますが、今後、補助対象経費や補助額について現行の補助制度の拡充を図り、より整備が進むよう補助金交付要綱の検討とともに予算の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 |
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(比留間彰 共創計画部長の答弁)
さきの6月定例会でも御答弁させていただきましたが、本市が目指す共生社会の実現に向けて必要な施策であると我々も認識しております。しかしながら新たな施策の実施には財源の確保も必要になることから、市の施策全体を見据えた上で健康福祉部と連携を図りながら検討してまいりたいと考えております。 |
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2、身体障害者中心のグループホームの設置について
6月の一般質問で、私は身体障害者中心のグループホームの設置について、具体的な方策がなかったなら9月までにつくってほしいとお願いしましたが、それはどうなっているのでしょうか。当事者やその御家族にとってはとても切実な問題です。現にこれまでにも、私の知り合いである身体障害の方が東京や横須賀に移住しました。鎌倉ではとても暮らしていけないという意思表示のようで、これはとても恥ずかしいことです。身体障害者中心のグループホームについても、横浜や横須賀ではできて鎌倉ではできない理由は何でしょうか。もし具体的な計画ができているなら教えてください。1の重度訪問介護でも言いましたが、鎌倉に重度訪問介護をやってくれる事業所がないのなら、横浜の事業所でやってくれるところを見つけ、それを組み入れたらどうでしょうか。もちろんそこのグループホームの専属の職員さんを何人かは必要ですが、入居者のケア体制をつくるにはそれが一番だと思います。いかがですか。
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(内海正彦 健康福祉部長の答弁)
続きまして、重度訪問介護をやってくれる事業所にグループホームで事業を実施してもらってはどうかについての質問でございます。市内のグループホームで重度の身体障害者を受け入れた場合に、条件はありますが、重度訪問介護の事業所がグループホームでサービスを提供することは制度としては可能でございます。また入浴などの介助を他の居宅介護サービス事業所に委託しながら運営を行うグループホームの形態もあります。重度身体障害者以外のグループホーム設置の意向を示された事業者に対しては、重度身体障害者の受け入れと合わせて、議員御指摘のような形態での運営についても案内していきたいと考えております。 |
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(答弁に対する千一の再質問)
身体障害者中心のグループホームについては、会派要望などでも何年も前から要望してきたものです。横浜などでは20年も前から数多くのグループホームがつくられています。横浜に見習ってつくってほしいものです。それにはつくる事業所やつくりたいと思っている団体などが必要です。鎌倉市の方はグループホームをつくってほしいとは言いますが、主体的に自分たちでつくろうとする方がいません。そこを掘り起こすことも大切だと思います。そして予算をつけて市役所と必要な方たちがつくるようにしていただく制度をつくっていただきたいと思います。いかがですか。
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(内海正彦 健康福祉部長の答弁)
まずグループホームの質問でございます。現在、重度の身体障害者を受け入れている市内のグループホームが一つございます。この事業所へのヒアリングを通して、重度身体障害者を受け入れるための条件や課題の整理を行っていきたいと考えているところでございます。また、あわせて既存のグループホーム運営事業所に対しても、受け入れについての打診を行っていく予定でございます。
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(小礒一彦 副市の答弁)
引き続きグループホームに対するお尋ねにお答えします。事業所やグループホームを必要とする方の御意見を伺うとともに、ただいま部長が御答弁いたしましたけれども、既存のグループホームへのヒアリングなども行いながら設置に向けて取り組んでまいりたいと思います。
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3、二千人雇用構想とA型作業所との整合性について。
鎌倉市は2,000人の障害者雇用を設ける構想を立てました。それによると、鎌倉市が2,000人の雇用の旗振り役を始めたということです。しかしその一方で、今まであったA型事業所はB型事業所に変更しているところが多いようです。これでは逆行しているとしか言えません。その理由はなぜでしょうか。A型で働こうと思って就労したらB型に変わってしまってがっかりしてやる気がなくなった例も多くあります。これでは2,000人を雇用するどころか、やる気をなくす障害者の方が多くなってしまいます。2,000人という数字はどこから出てきたのでしょうか。第3期鎌倉市障害者基本計画の資料によると、統計として平成29年度4月1日現在の、鎌倉市在住で就労の可能性のある年代、18歳から64歳で障害者手帳を保持している方は2,696人でした。これに上の年代の65歳以上を加えても難しい数だと言わざるを得ません。むしろ2,000という数字を出さず、本当に就労を希望する方を手厚くサポートし、就労の機会と定着に全力を挙げること、そしてA型事業所を維持し、またふやすことが大切なことだと思います。いかがですか。二千人雇用センターを開始して以来、これまで何人の方が問い合わせをし就労を希望していますか。そして就労された方は何人ぐらいいますか。
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(内海正彦 健康福祉部長の答弁)
A型事業所はB型事業所に変更しているが、その理由はなぜかについての御質問でございます。就労継続支援A型事業所は鎌倉市では適切に運営をしているところでございますが、報道によりますと、全国の例として仕事が全くなく毎日本を読むだけなど、生産活動の内容が適切でない事業所や、利用者の意向にかかわらず事業収益がなくても利用者の労働時間を短くして賃金を抑えれば、利用者に給料を払ってもうけが出るため、全ての利用者の労働時間を一律に短くする事業所など、不適切な事例がふえているとの指摘がされたところでございます。それを受けて、国は支援内容の適正化と就労の質の向上のためとして給付費が賃金に充てられなくなるなどの見直しをしたことにより、運営が苦しくなったことが就労継続支援A型事業所の減少した背景であると認識しているところでございます。
次に2,000人という数字の根拠を説明してほしいについての御質問でございます。就労者実態として福祉的就労者数535人は把握していたところでございます。一方、一般就労者数が把握できなかったため710人を一般就労者数とし合計1,245人を就労者として推計したところでございます。この一般就労者数710人の推計の方法は障害者福祉計画策定にかかわるアンケートで収入を得ている、仕事をしていると回答された方の比率が25.17%であったことから、この割合を障害者手帳所持者数のうち稼働年齢層の18歳以上65歳未満の方の2,696人に乗じた678人が鎌倉市内の事業所で一般就労していると推計し、市役所で働く方の人数を合わせた710人を一般就労者数としたところでございます。この推計をもとに就労者数の目標設定に当たっては、本市の稼働年齢層のうち就労者数1,245人を差し引いた未就労者1,453人の半数である700人強が就労された場合の人数を1,245人に足して2,000人としたものでございます。
続きまして、2,000人という数字を出さず就労を希望する方を手厚くサポートし就労の機会と定着に全力を挙げること、そしてA型事業所の維持や増加させることが大切であることと思うがいかがかについての質問でございます。2,000人という数字は目標を定めて事業を進めていく上での目標として定めたものでございます。就労を手厚くサポートし就労の機会と定着を支援することは重要であることから、障害者二千人雇用の取り組みの中で障害者二千人雇用センターが市内の就労者に身近な場所で専門的な相談や就労後の定着支援や就労面接会への同行支援等により、幅広い支援を実施していくこととしております。また就労継続支援A型事業所の維持や新規開設も重要であり、事業所の安定運営のため仕事をふやしていく方策の一つとして市内企業へ福祉事業所への発注を呼びかけるなど、適切な運営ができるような仕組みなどについて二千人雇用事業の中で関係機関とも検討してまいります。
続きまして、二千人雇用センターを開始して以来何人の方が問い合わせをし就労を希望しているのか、そして就労された方は何人いるのかについての御質問でございます。鎌倉市障害者二千人雇用センターにこれまで問い合わせをされた方は平成30年8月27日時点で46人であり、就労を希望されている方は45人でございます。就労実績につきましては、実質的な相談対応を行った7月及び8月の2カ月間で2名の方が一般就労されている状況でございます。引き続き、より多くの相談者が一般就労につながるよう、鎌倉市障害者二千人雇用センターを中心に取り組んでまいります。 |
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(内海正彦 健康福祉部長の答弁)
先ほど私の答弁の中で二千人雇用の根拠のところの未就労者数ですが1,453人と答弁しましたが、1,451人、このうちの約700人ということでございます。 |
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4、障害者雇用の水増しの問題について。
これも国の中央官庁は障害者の2.5%の雇用が達成できず、水増ししていたことが判明しました。それに伴い、多くの県でも水増しが判明しました。神奈川県でもおかしなところが見つかったところがあります。鎌倉市ではどのようになっていますか。教えてほしいです。
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(松永健一 総務部長の答弁)
倉市での障害者雇用の状況についてでございます。障害者雇用率の算定では週の勤務時間が20時間以上の職員が対象となっております。このうちフルタイム職員は18人で割合としては1.62%でございます。さらにフルタイム職員に、週に20時間以上勤務の短時間勤務職員を加えますと実雇用人数は31人、算定人員は33.5人になりまして、雇用率は2.64%となっております。
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(答弁に対する千一の再質問)
代読の原稿を提出したのは1週間以上前なので、現状は変わっていろいろな市も水増ししていることがわかってきました。県だけでなく市でも水増ししていることが最近になってわかってきました。鎌倉市は法的には達していますが、正職員だけでは達していません。正職員だけでも達するようにはできないものでしょうか。
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(小礒一彦 副市長の答弁)
障害者雇用の水増し問題に対するお尋ねでございます。障害者雇用につきましては障害の程度や状況に合わせまして働き方のニーズがございますことから、これまで正規職員と非常勤職員の雇用、双方進めてまいったところでございます。過去5年間の障害者雇用枠における採用実績でございますけど、正規が6名、非常勤職員が7名、合計13名となっております。本市におきましては、障害者雇用率の達成をするためだけではなく、毎年障害者雇用枠を設けた採用を実施しておりまして、今後も働く方のニーズを踏まえまして積極的な障害者雇用を進めてまいりたいというふうに考えております。
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5、選挙制度について。
以前にもお聞きしましたが、選挙は18歳以上の方が投票できるようになりました。しかし障害のある方やけが、病気で投票所に行くのが難しい方は投票できないのが現実です。たとえ家の近くに投票所があっても投票所まで行かなければ投票ができません。一方、外国にいても船の上からでも投票はできます。これはとてもおかしく感じます。投票所に行けば代筆なので誰でも投票ができます。郵便投票の制度があっても、高齢者で要介護5の方とか、障害者手帳1級で移動できない方とか、内部障害の方では投票所に行けない方とか一部の方だけです。そのほかにも行けない方はたくさんいます。そのため郵便投票の制度の範囲を広げ、またその郵便投票の制度を人々に周知する。それから代筆や代理投票の制度なども人々に周知してほしいです。不正が起こるのを理由に国は拒否するかもしれませんが、故意に不正を行う人はほんの一握りで大多数は正直で良心的だと思います。いかがですか。また選挙に立候補するにも障害者には配慮が必要です。例えば、聴覚障害者が立候補する場合は、演説ができないので、手話通訳をつけて演説してもらうとか、移動の介助者をつけるとか、健常者と同じ条件にもっていく介助者をつけてほしいものです。いかがですか。
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(渡邊好二 選挙管理委員会事務局長の答弁)
まず、郵便投票制度の拡大、周知についての御質問にお答えいたします。選挙を執行する中で投票したくても投票所に行けないとの御相談をいただくことがあり、本市選挙管理委員会といたしましても郵便投票対象者の要介護状態区分を引き下げる、公職選挙法の改正について国に向けた意見を提出したところでございます。また郵便投票などの選挙制度の周知についても、「広報かまくら」やホームページなどで詳しい説明を行っているところでございます。今後も郵便投票を初めとした選挙制度についての丁寧な周知啓発に努めるとともに、選挙の現場にいる立場から選挙制度の改善についての意見具申に積極的に努めてまいりたいと考えているところでございます。
続いて、公費負担に関する御質問でございます。選挙運動にかかる費用のうち、公職選挙法で定めのあるポスターの作成や自動車の使用などについては公費で負担しているところでございますが、御指摘いただいた手話通訳や移動支援については法の定めがなく、公費負担の扱いとすることができないこととなってございます。いただきました御意見につきましては、国への法改正意見の提出に向け選挙管理委員会内で協議してまいりたいと考えてございます。
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(答弁に対する千一の再質問)
以前に一度だけ病気、けが、障害などのため選挙に行けない方も選挙ができる仕組みがあったのですが、不正が行われたためなくなったことがあります。不正はよくないことですが、そういう制度をなくすことはもっとよくないと思います。不正の罰則を強化してでも、そういう制度を復活させていただきたいと国へ申し入れてほしいものです。いかがですか。そして選挙に立つ障害者の手話通訳や必要な介助者をつけることも国に強く申し入れていただきたいと思います。いかがですか。
今までの質問を聞いて市長のお考えをお聞かせください。
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(渡邊好二 選挙管理委員会事務局長の答弁)
病気、けが、障害などのために選挙に行けない方も投票できる制度の復活、そして手話通訳や必要な介助者についての国への申し入れについての御質問でございます。一般質問におきましてそうした御意見を頂戴したことにつきまして、選挙管理委員会に報告いたしまして、国への意見提出について協議してまいりたい、このように考えてございます。
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(松尾崇 市長の答弁)
ただいまの選挙制度の問題、障害者雇用の問題、身体障害者のグループホームの問題も含めまして、こうした施策を積極的に推進してまいりたいというふうに考えています。障害のある人も障害のない人同様に、その人らしく生き生きと地域で自立して生きていけるように、そういう社会の実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
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