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鎌倉から逃げた重度障害者の方
以前に障害者福祉課にも相談に行きましたが、その方は鎌倉にも身体障害者の入れる施設をつくってほしいとメールで市長に何度もお願いをしましたが、市長はのらりくらりでらちが明きませんでした。そして、親が高齢になり、その方の介護が大変になり、もう時間がないという様子でした。私は、その方に自宅にヘルパーを入れているか聞きました。すると、以前は入れていたけど問題が起きて親がヘルパーを入れるのをやめ、それ以後、母親がずっとその方の介護をしてきましたが、親が高齢になり、もう限界というところでした。その時点で昨年の前半でした。ことしもその方が年賀状をくださったのですが、住所が市外の障害者施設になっていました。その空白の期間、背に腹はかえられないということで探していたのでしょうが、市内では見つからず、結局市外の施設にしたということなのでしょう。
市長はこれまでメールとか手紙で障害のある方から施設建設の要望を受けたことがありますか。これは個人情報になるので、断定的なことはお答えが難しいかもしれませんが、そのような状況について市としてどのように考えていますか。
もともとこのことにつきましては、何年も前から私が要望しているように、身体障害者が中心のグループホームがあればと思い、私の力不足には参りました。鎌倉市は知的障害者、精神障害者のグループホームはありますが、重度身体障害者が入れるグループホームがほとんどないのが現状です。重度身体障害者の親亡き後のことを考えてほしいと思います。いかがですか。
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(松尾崇 市長の答弁)
まず最初に、市長はこれまでメールや手紙で障害者が入る施設をつくってほしいという要望を受けたことがあるかという御質問につきましては、グループホームの整備について要望を受けたということがございます。 |
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(内海正彦 健康福祉部長の答弁)
続きまして、市内では身体障害者の施設が見つからず、市外の施設に入所せざるを得ないような状況について、市としてどのように考えるかについての御質問でございます。
入所施設やグループホームは身体障害者の生活の場として必要であると考えております。市内の身体障害者の入所施設は1カ所であきがない状況でございますが、国や県の施策では施設入所者の地域移行を進めていく方向にあり、今後、県の事業所指定を受けて新たに入所施設を開設することは難しいものと認識しているところでございます。このため、グループホームの役割が重要になってまいりますが、身体障害者が利用可能なグループホームは市内に1カ所しかないことから、その整備を進めていくことが課題であると考えております。
続きまして、重度身体障害者が入れるグループホームがほとんどない。重度身体障害者の親亡き後のことを考えてほしいがいかがかについての質問でございます。
障害者の親亡き後の支援といたしましては、生活の場の確保が重要であり、グループホームの整備を進める必要があると認識しているところでございます。現在、設置時の備品購入費等に対する補助や基準を超えて職員を配置し、重度の障害者を受け入れている事業所への補助を実施しているところですが、今後補助対象や補助額について、より整備が進むような方法について検討をしてまいります。さらに、身体障害者以外のグループホームの設置の意向を示された事業者に対しましては、重度身体障害者の受け入れについて打診するなどの働きかけを積極的に行ってまいります。
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(答弁に対する千一の再質問)
重度身体障害者のグループホームづくりには、ハード面のバリアフリーの改造だけに助成金を出すのは一時的な問題であり、知的障害者とか精神障害者のグループホームとは違い、継続していくためには、多くの介護者の確保とそれに伴う人件費が精神、知的よりもずっと多くかかりますので、それに見込んだ助成金を出していただかないと、そのグループホームはつくる側もつくりにくいと思います。どうか一日でも早くそのようなグループホームをつくっていただきたいものです。これは毎年の会派要望にも書き続けていることであり、そのようなものが欲しいと言っている方も何人もいますので、一日も早く、横浜市などを参考にしながらつくっていただきたいものです。私自身も18年前、横浜市の制度を利用してグループホームをつくったこともあるくらいです。いかがですか。これは何度も言っていることなので、市長の決断ある答弁を求めます。
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(松尾崇 市長の答弁)
市では神奈川県とともにグループホームの人件費も含めた運営費について、加算の補助を行っているところです。また基準を超えて職員を配置して、重度の障害者を受け入れている事業所に対して一定の補助金を支給して支援をしております。重度身体障害者のグループホームに特化した補助金につきましては、引き続き検討してまいりたいと考えます。
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平成30年度の障害者福祉計画はこれでいいのか
鎌倉では、全ての人がお互いに人格・個性・多様な生き方などを尊重し合い、ともに支え合える環境がある共生社会の方向性を明文化するために、(仮称)かまくら共生条例を制定することを検討中だと、第3期鎌倉市障害者基本計画に載っていました。それはそれだけ聞けばとてもすばらしいものです。しかし、具体的なサービスの内容を見ると、今の計画のほうが若干ではありますが、まだましなようです。例えば、居宅介護は平成28年度の実績では、一月に154人の方が3,618時間を利用しました。これは1人平均月に24時間、つまり1日当たり48分でした。第5期計画のうち、平成30年度の見込み量として、1人平均月に23時間、1日では46分です。さらに2分減らした時間を見込んでいます。また重度訪問介護では、平成28年度は利用者がいませんでした。そして、第5期計画では、平成30年度に2人の方が300時間、平成31年度に3人の方が450時間、平成32年度には4人の方が600時間利用することを見込んでいて、これだけ見れば1人ずつふやしていく意向のように見えます。しかし計算してみたら、第4期計画の平成29年度は1人8時間で見込まれていたのが、さらに3時間減った1日にたった5時間という見込み量です。
お題目だけ共生社会という条例をつくってもお寒い限りです。このようなことが具体的に上げればあちらこちらに見えます。ですから、1で上げたようなことが起こるのです。実態が伴う条例にしていただきたいものです。いかがですか。
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(内海正彦 健康福祉部長の答弁)
障害福祉サービス計画の障害福祉サービス等の見込み量のうち、前期計画より見込み量が減っているサービスもある。これから(仮称)かまくら共生条例をつくるということだが、実態が伴う条例にしてほしいがいかがかについての質問でございます。
議員御指摘の居宅介護や重度訪問介護におけるサービス見込み時間数については、直近の実績や現計画の見込み量などを勘案し時間数を見込んであり、1人当たりに支給する時間数を削減したものとはなってございません。これらのサービス見込み量は、国の指針に従い、これまでの実績や伸びなどを考慮し算定したもので、サービス計画における成果目標達成に向けた指標でございます。実際のサービス支給に当たりましては、計画の見込み量に縛られることなく、個人個人の状況を勘案し、必要な支給量を決定しているところでございます。(仮称)かまくら共生条例は全ての市民が地域で安心して暮らせる共生社会の実現を目的とした条例として制定することを考えており、この条例の理念に即した対応を図ってまいりたいと考えております。
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LGBTの講演を聞いてショック
この前、議員・職員研修会で講師をしてくださった星野慎二先生は、多くの皆さんもお聞きのとおり、全国的に御活躍されている方です。そして学校に行けば、20人に1人が性的マイノリティーであるLGBTの方ということでした。この星野先生はLGBTのゲイの方だそうです。全国的にも御活躍なさっているにもかかわらず、兄に自分がゲイだと言ったら受けとめてくれず、逆に拒絶されたそうです。そういう社会をつくっている方たちがよくないと思います。そして鎌倉では、9月に私が質問したときには、成人の方で1人もLGBTの御相談を受けたという実績はないという御答弁でした。これについて、市はどのようにお考えですか。そういう環境をつくっているからだと思います。
それに、直接関係するかどうかはわかりませんが、中学校の学力は鎌倉市は優秀だそうですが、不登校の生徒は100人以上という報告を聞きました。その中にLGBTの生徒がいる可能性もあると思います。
2で上げたとおり、鎌倉市では全ての人がお互いに人格・個性・多様な生き方などを尊重し合い、ともに支え合える環境がある共生社会の方向性を明文化するために、(仮称)かまくら共生条例を制定することを検討中だと第3期鎌倉市障害者基本計画に載っていました。しかし現状では、共生社会には総論賛成各論反対の方が多いと思います。いかがですか。 |
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(比留間彰 経営企画部長の答弁)
9月定例会に質問したときには、成人の方で1人もLGBTの相談を受けた実績がないという答弁だったが、これについて市はどう考えるかという御質問です。
性的マイノリティーで悩んでいる成人の方の相談については、平成29年9月の時点では相談の実績はありませんでしたが、平成30年1月に性同一性障害と思われる匿名の方からの電話相談を女性相談で受け付けいたしました。これまで性的マイノリティーへの理解を深める講演会等を開催してきましたが、少しずつではありますが、市民の間に性的マイノリティーへの理解が深まってきていると感じております。今後もさらに相談窓口の存在を広く市民の方々に周知していくとともに、相談の対応もより充実させていきたいと考えております。
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(内海正彦 健康福祉部長の答弁)
続きまして、市では(仮称)かまくら共生条例の制定を検討中であるが、共生社会には総論賛成各論反対の方が多いと思うがいかがについての御質問でございます。
議員御指摘のとおり、御家族であってもLGBTなどへの理解が十分でなく、LGBTを受けとめてもらえないというような事例があることについては認識しているところでございます。障害のある方もない方も全ての市民が地域で安心して暮らすためには、お互いに人格、個性、多様な生き方などを尊重し合い、ともに支え合うため、市民や事業者の皆様の障害などに対する理解を促進し、個人個人の意識の中に浸透させていくことが重要となりますが、それには一定の時間がかかるものと考えているところでございます。(仮称)かまくら共生条例を早期に制定し、市民や事業者の皆様への意識啓発など、共生社会の実現に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
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(答弁に対する千一の再質問)
1人相談があったということは、一歩前進だと思います。小学校の高学年のころから大人まで入り、また、インクルーシブな社会にも共生条例にもつながるものなので、市長、教育長、それぞれの立場での丁寧な御答弁をお願いいたします。
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(松尾崇 市長の答弁)
これまでも、教育委員会と連携して小・中学校の教職員やPTAを対象とした講演会を開催しまして、理解を深めるよう努力をしてきたところでございます。今後も継続的に実施をしていくとともに、条例制定などさまざまな場面を通じて全ての市民が安心して互いに認め合い、そして支え合える環境を整えていけるようにしていきたいと考えております。こうした取り組みで私の目指す共生社会を実現してまいりたいと考えます。
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(安良岡靖史 教育長の答弁)
学校におきましては、子供たち一人一人の個性を受け入れ、何でも相談できる教師との人間関係づくりに努める教育に取り組んでいるところでございます。子供たちも違いを個性と考えて、認め合える人間関係づくりに取り組んでまいります。
文部科学省が作成いたしましたLGBTの児童・生徒に対するガイドラインがございますので、服装や更衣室、トイレ、宿泊等につきましては、一人一人の状況に応じてきめ細かな対応ができるよう、本人あるいは家族からの相談に対しては、丁寧に対応し、本人の気持ちに沿って支援してまいりたいと考えております。
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