2006年10月16日~17日 行政視察報告(広島) |
16日は安芸高田市に訪問し、①安芸高田市における、市民主体・行政との協働による街づくり についての研修を受けました。安芸高田市は、2004年の周辺自治体合併で誕生した新しい市ですが、ここでは行政区画を32に分け、行政主導ではなく住民主導の街づくりが行うという全国的にもユニークな自治体運営が行われており、実に理想的な形で住民自治が行われています。 行政区画の規模は、およそ150人から3000人程度、戸数にして50戸から2100戸と、大小様々ですが、住民が中心となり「振興会」を組織しており、施策の計画も実施も全て住民の手で行われます。例えば、高齢者向けの福祉サービスについては、住民が「一日一円募金」を行い、高齢者の個人負担分を自治体内で補おうとする動きがあるとのことですが、アドバイザー・顧問として市議員が参加するほかは、実際に全て住民によって運営されています。 通常、役所のスタッフに対して住民は要望を挙げ、役所のスタッフはそうした要望への対処を「やらされる」役目を負わされます。当然、要望が通らなければ責めを負い、こうした中での行政と住民の関わりは非常に対立的になりやすく、またこうした関係が本当に生産性の高い、健全な自治を産むことは難しいことは明らかです。そこで、「振興会」に参加する市のスタッフは、その地域在住のスタッフから選ばれ、あくまで一人の住民として、自治に参加していきます。一人の住民として意見を出しつつ、行政とのパイプ役となることでもっと身近な行政の役割を果たしているようです。 このように、安芸高田市では行政の力によらない、小さなブロックごとの機能的なシステムがしっかりと機能していることから、研修に参加され、説明をしていただいた川根地区振興会の代表辻駒さんは「住民がしっかりしていれば、本来議員は必要がないのではと思います」と仰っていました。 翌日17日は広島市議会において、市内の土砂災害特別警戒区域指定状況についての研修がありました。広島市の、具体的な災害時警戒プランの紹介などがありました。鎌倉駅周辺は三方を崖に囲まれ、一方が海に面しており、土砂災害時の危険区域の設定や有事の方策の設定の必要性が非常に高い地域であり、広島市がこうした問題に対し、どのような対応策をとられているかは鎌倉での問題対策に向けて、非常に参考となるものでした。 |
||||||||